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2006年 08月 10日
「夜道で絶対に会いたくない人ランキング」
がもしあれば、私の場合、堂々第1位はこの御方。 ゲーム『サイレントヒル2』に於ける最強/最凶/最狂、そして最愛のキャラクターです。 本名不詳。 通称をRed Pyramid Thing(レッド・ピラミッド・シング)、「赤い三角頭」と呼ばれている彼は、子供の体長ほどもある大きな鉈をずるずる引きずりながら現れ、その緩慢な大鉈のひと振りでありとあらゆるものの息の根を止めるためだけに存在しています。 「サイレントヒル」という、どっちを向いても絶望ばかりの世界でこの人に行き会うと、途端に絶望にむず痒いような甘さが加味され、一旦セーブしたそのあとに、自らすすんで、我が身に振り下ろされるその大鉈を、陶然と待ち受けてしまう事になります、ええいつも。 そんな三角頭のダーリンも登場する、映画版『サイレントヒル』を、みなとみらいのシネコンで観てきました。 同じシネコン内で上映されている『ハチミツとクローバー』は次の回のチケットも売り切れという盛況ぶりを誇っていましたが、『サイレントヒル』の客は、私を含めて10人をやっと越えるぐらい。 それがなんか、妙に嬉しかったりもします。 「サイレントヒル」の世界観は、こんなとこで簡単に説明できるほどシンプルなものではないのですが、無理矢理キャッチ風にこじつけて表題を付けてみました。 映画版は、ゲームの「1」の世界と登場人物を踏襲し、「2」や「3」の世界も織り込みながら、しかしそれらとはまったく違う物語を創っています。 ゲームの「2」は、エンディングを迎えてから30分間、号泣し続けた作品です。 いわゆる「In Water」と呼ばれるエンディングで、なにかを肉体から抉り取られるような痛さを感じ、それまでに経験してきたあんな事こんな事が一気にどかーんとフラッシュバックしてきて、途轍も無く混乱しました。 たかが(失礼)ゲームでこんな取り返しのつかなさを味わわされるとは予想もしていませんでした。 以来、「2」は何度プレイした事でしょう。 ゲームをする理由はいろいろとあるんでしょうが、私の場合、どうしてゲームをするかといえば、 「逃げ場の無い世界の中で独りになりたい」 からです。 「サイレントヒル」という町は、そういう私にとっての理想郷。 現実に訪れてしまったら、血だらけだったり錆だらけだったり腐乱死体だらけだったり化け物に追いかけられたりでそれは大変な事になるのでしょうが、それでも、 「いつかきっと行ってみたい憧れの町」 である事は確かです。 映画は、そんな憧れの町サイレントヒルを、個人的にはかなり満足のいく度合いで再現してくれています。カナダ郊外に作られた大規模なオープンセットとの事ですが、主人公ローズ(ラダ・ミッチェル)が、失踪した娘シャロン(ジョデル・フェルランド)を追ってそこに足を踏み入れるのを見ていると、 「ああ、なんて羨ましい」 と思います。 「サイレントヒル」の世界につきものなのは、いわゆる「裏世界」。 霧の中で獣が咆吼するかのような教会のサイレンが鳴り響くと、それを合図に、床から黒い汁がぐじゃぐじゃと溢れ出し、壁紙は腐って剥がれ落ち、剥き出しになった壁を赤黒い血管が覆い尽くし、黒光りする無数の蟲どもがぞろぞろと床を這い回る。 霧と灰が降る乳白色の世界から、ぬるぬると湿った血と闇の世界へ。 映画は、この表と裏の転換を、ゲームのイメージを損なわずに、かつ非常に美しく、かつ醜悪にビジュアル化しています。これを見るだけで映画を観に来た甲斐はあった、というぐらいの出来。大満足。 裏世界に跋扈するクリーチャーは、三角頭さんの他に、グレイ・チャイルド、ライイング・フィギュア、クリーパー、バブル・ヘッド・ナースなどなど。 バブル・ヘッド・ナースは、グラマラスなボディにぴたりとはりつく、胸の谷間もあらわなナース服(もちろん、血と膿に汚れた)がたいへんセクシーで、そのくせ顔はふた目と見られぬほどぶくぶくに膨れ上がり、鉄パイプだの手術用メスだのマグナムだのを携え、隙あらば殺そうと襲いかかってくるえらい凶暴なおねえさんたち。 ゲームに登場するクリーチャーの中では、三角頭さんの次にご贔屓です。 映画では、ローズが、廃病院の廊下を大挙して歩いてくる彼女たちにぶつかってしまう。光に反応するという性質を逆手に取って懐中電灯を消し、林立する魅惑的なボディの隙間をそぉっとすりぬけていくシーンが、エロさ炸裂でドキドキします。 「サイレントヒル」というゲームはとても奥床しいホラーなのですが、血がしぶき肉が飛び散る、わかりやすい描写が相次ぐ映画版は、良くも悪くも裾野を広げたエンターテインメントだな、という気がしました。 そのせいもあって、ゲームが湛えていた絶望と恐怖は圧倒的に薄らいでいます。 ビジュアルから受けるショックや恐怖以上に、映画は、物語のキーになる「アレッサ」というひとりの少女、その存在そのものの悲しさを強く打ち出していました。 性的虐待や差別、故無きいじめに苦しみ、挙げ句の果てに魔女狩りの対象にされ、狂信者たちの儀式の生贄として生きながら火あぶりにされ、全身に大火傷を負った少女・アレッサ。 彼女の憎悪が生み出した、いわば「悪」の存在がダーク・アレッサ。 かたや、アレッサの「善」の心が実体化したのがシャロン。 三者をともにジョデル・フェルランドが演じています。 アレッサを巡る物語はゲームでは本当に摑み難く、その摑み難さがこのゲームの魅力でもあり、「1」から「3」へと続く伏線にもなっていますが、126分で語らなければならない映画は、 「身勝手で無慈悲な世界の犠牲になったひとりの少女の悲しい復讐」 というところに「わかりやすく」的を絞ってお話を作っています。 ローズの肉体に同化したダーク・アレッサ=アレッサの復讐心が、狂信者たちが立て籠もる教会の中で、ローズの血を媒介として再生し、自分を虐待した人々を悉く殺戮するクライマックスは、スティーヴン・キングの『キャリー』の、プロムでの念力放火シーンを彷彿させます。 触手のようにどこまでも伸びる鉄条網が逃げまどう人々を次々に搦め捕り、その体に幾重にも絡みつき引き裂いてゆく。 残虐で不快ですが、そうあればあるだけ、残虐に到らざるを得なかった、意思に反してモンスターと化さざるを得なかったひとりの少女の孤独、悲しみ、恨みが胸に響き、殺戮の限りを尽くすアレッサが可哀想で、私は泣けました。 人も虫も夢も 『キャリー』の本歌取りである筋少の“ノゾミ・カナエ・タマエ”という歌が、まさにこの映画の「アレッサ」そのまま。 映画のサイレントヒルが、白い灰が雪のように静かに降り積もる町という設定なのも、どこか呼応しているような気がする。偶然だけど、いやしかしそれもきっと偶然じゃないのでしょう、「サイレントヒル」という町においては。 復讐というアレッサの「ノゾミ」は「カナエ」られ、ローズはシャロンと再会し、サイレントヒルをあとに、夫クリストファー(ショーン・ビーン)の待つ我が家に辿り着きます。 ここで、 「ああ、やっと親子3人、幸せな日々が」 と思わせておいて、そうはしない。 居間のソファーで眠るクリストファー。 家の中に入ってきて、ソファーの前に座るローズ。 でも、ソファーには誰もいない。 なにかの気配を感じてうたた寝から目覚めるクリストファーの前にも、しかし誰もいない。 ふたりのいる世界は完全に違うものなのです。 死力を尽くして、「サイレントヒルという町」から脱出したローズとシャロン。 しかし彼女たちは、「サイレントヒル」からは、いまだ一歩も逃げられずにいる、という事がよくわかる。 物語の運びと味わいは、ゲームのそれとはずいぶん違うところに来てしまった映画『サイレントヒル』ですが、このそこはかと無い悪意を感じさせるエンディングこそが、なによりも非常に「サイレントヒル」である事よなあ、と思いました。 モノクロームのかっこいいエンドロールにかぶるのは、「3」のサウンドトラックで使われていた歌、“You're Not Here”。 「あなたはここにいない」 という言葉で物語を締めるセンスに、最後の最後でまた、殺られます。
by red_95_virgo
| 2006-08-10 23:13
| movie
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Comments(2)
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by
さな
at 2006-08-11 09:57
x
最近のゲームって画像がリアルなので、怖いですよね。音もリアルで、人を切る音とか、効果音が怖くて。うちにある忍者の出てくるゲームを見てるだけで身震いするので、自分ではやってないです。ゲームは好きなのですが、怖いのが苦手なもので、近頃ゲームから遠ざかっています、、、
そう「ハチミツとクローバー」見に行くか迷ってます。というのも先日見た「ラブ★コン」が可もなく不可もなく…というより作りは変わってましたが、作品自体になんの感情も出てこなかったので。いえ小池くんは可愛らしかったです。谷原さんは… どこへ向かうのでしょう? 映画見てこんな感想じゃなぁと。
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by
red_95_virgo at 2006-08-11 11:04
>さなさん
私は、決して「ゲーマー」ではないのでごく限られたゲームしかプレイしませんが、「怖い」要素が無いものにはあまり食指が動きません。 怖いといっても暴力的な表現がありゃあいいというわけじゃなく、その世界の持つ空気、物語で語られる「怖さ」、つまりはゲームそのものにこだわりとセンスがあるもの、って事ですが。 ハチクロはたいそう評判が良いし、堺さんの花本先生も見てみたいなあとは思っていますが、「1800円というお金と限りある自分の時間」というものを考え合わせて優先順位つけると、やっぱり自分、『サイレントヒル』を選択してしまう人間です(笑)。ていうか『サイレントヒル』は 「どうしても“この私”が観なきゃだめなんだ!」 な映画で、事実「呼ばれたな」って感じします。 『ハチミツとクローバー』は、映画そのものがおそらく「この私」をまったく必要としていないんじゃないだろか、という気がしてます。観てみないと何とも言えないんですけどね。
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