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2006年 04月 01日
しばらく書店のコミックコーナーから遠離っているうちに、中村明日美子さんの『Jの総て』第3巻が出ちまってました。
中村明日美子さんという漫画家さんとは、『コペルニクスの呼吸』という作品の第2巻の表紙を本屋で見て、 「こここ、これはYモンキーのY井さん!?」 とのけぞったところからの出逢いです。 いえ、たぶんY井K哉さんじゃないと思うけど。 1巻の表紙の人(トリノス)もべつにK地H昭さんじゃないと思うけど。 似てると思うのは私がくさってるからだと思うけど(笑)。 でも、これが2冊並んでたら、ちょっと素通りなんて出来やしません。 そんなきっかけで購入した作品でしたけど、物語は表紙を遙かに凌駕する素敵さでした。 『コペルニクスの呼吸』の主人公は、サーカスのブランコ乗り。 『Jの総て』の主人公は、女装のクラブ歌手。 どちらも大雑把に言う「芸人」で、どちらも美しい青年で、どちらも物語のモチーフになっているのは男性同士の性愛。 私は、中村明日美子さんが描く性器や体液の表現が好きです。陰毛も性器も挿入も射精もきっちり全部見せてくれる。きたないけどきれい。そこがすごく好き。 生でそういうもんを頻繁に見たいと思うほど執着はありませんが、彼女の流麗で繊細な線で描出されたそれらには、愛おしさすらおぼえます。 エロが美しくある必要があるかどうか、というのは微妙な問題だと思いますが、私はきれいなもんが好きなので、美しく描かれたエロは普通に好きです。美しくあるには、絵の芸は勿論ですが、それだけでもだめなように思います。本来性愛なんてものは、それも男同士の性愛の行為自体は、 「ああ……大変だねえ」 というようなもんで、でもそれを描こうとする時、妙な色気を出して詰まらない粉飾を施したり、雰囲気だけで誤魔化すくらいなら描くのやめとけ、と思います。 人間と人間が行う行為を描く時、やはりそこには「人」というものが露骨にいるのであって、「人」を無視した性愛の描写なんて、どれだけきれいに描いたって、いえきれいに描けば描くだけ、どんどん紛いものになっていくような気がします。 中村明日美子さんの漫画は、出てくる人物が誰も彼も不器用なぐらい前向きな感じで、そういうちょっと恥ずかしいような前向きさが、あの異様に美しい独特の表現で以てポンと出される、そこが良いなあと感じます。 『コペルニクスの呼吸』も『Jの総て』も、主人公やその周りの人々は、それぞれ不幸な境遇にあったり、陰惨な過去を持っていたりしますが、そういうものはそういうものでちゃんと見せて、そこから 「良くなろう」 とするんです。前へ進んで行こうとする。ものすごく不様なやり方で、だけど。 闇の中で顔を伏せていた主人公が、最後には、おずおずと光のほうに向き直る。 なんだかんだあったにせよ、そしてこれからもなんだかんだあるにせよ、物語の終わりはひとまずハッピーで、そのキラキラとした幸福な感じに辿り着くからこそ過程にある性愛の表現は紛いもので終わらず、 「ああ、美しいなあ」 と言えるものになっているんだろう。 『Jの総て』第3巻のあとがきで彼女は、「強くてかわいいオカマが描きたい」というのが作品執筆の動機だったと述べていますが、そのあとで、 けれど実際に描いてみて分かりましたと書いています。 真面目で、誠実な方だなあ。 私はこういう正面切った、でもどこか控えめでちょっと照れくさそうな思いの吐露というものにすごく弱いんです。 ゲイだオカマだ同性愛だという、いい加減に扱えば際物になりかねないテーマと真正面から向き合って、けれどもそれを、人と人とが真摯に見つめ合い体を交わす美しい物語として見せてくれる。 それは偏に、創り手の持つ、シンプルで誠実な思いの為せる業なのだろうなあ。 「おしゃれ」と言ってしまっても良い、非常に洗練された作風なのですが、微妙に「泥臭い」とか「熱い」がちらほらする。その辺りも好き。 ちなみに版元は、『アストロ球団』復刻版や関連書籍なんかも出している太田出版なんだが……それと「中村明日美子さん、好き」が関係あるかどうかは定かではございません(笑)。
by red_95_virgo
| 2006-04-01 12:04
| book
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