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2012年 03月 03日
4年に一度の閏日につもった雪を跡形も無く溶かしてしまうほどのご陽気から一転、ずっしり暗い空からつめたい雨がびしょびしょ降った昨日。
愛してやまぬ画家、オディロン・ルドンに逢ってまいりました。 そんな陰鬱なお日和なのに、善男善女のみなさんで場内けっこうアツいかんじになっていました。展観がこの日曜で終わってしまうからかもしれません。実際私もなんだかんだで駆け込みになってしまいました。でも、ルドンは待っていてくれました。 エレベーターで展示室のある3階へ上がって、ドアが開くとそこにはいきなり最愛のひとが Odilon Redon Profil de lumière 本展観の垂れ幕的なもののなかで、楚々とした風情で、イメージガールをやっておられました。 思へば逢ひ初めし十七のころは、このひとの美しさをいくらどんだけ力説したってだぁれもわかっちゃくんなかった。哀しい青春でした。それがいつのまにかこんなにメジャーになっちゃって。だけど気持ちは十七のまんま、変わっていません。このひとの前を行きつ戻りつ、矯めつ眇めつしては、目うるませてためいきついてる私は、善男善女のみなさんのなかではやっぱりちょっと変態さんでした。 展覧会は、第1部が「ルドンの黒」、第2部が「色彩のルドン」、第3部が「ルドンの周辺──象徴主義の画家たち」という構成です。構成的にも内容的にも、「ルドンの画業集大成」的なものからははるかに遠いと思います。 まあちょっと中途半端なのです。 タイトルからして「ルドンとその周辺」なので、ルドンに交じってギュスターヴ・モロー、エドヴァルト・ムンク、ポール・ゴーギャン、マックス・クリンガーなどの作品も展示されています。どなたも普通に好きなアーティストだし、たとえばマックス・クリンガーの「手袋」シリーズのこれとか Max Klinger A Glove:Abduction だいすきなんですが。 でもルドンを観て、他の画家の作品がいくつかあって、またルドンに戻って、また他の画家の作品が──という流れは、どうもなんか、あっちこっちで気持ちがぷつぷつと跡切れてしまうのでした。 自分だけなのかしら。 自分がルドンを好きすぎて、ちょっと頭が変なせいなのかしら。 要はだいすきなアーティストさんのライヴはイベントとかフェスじゃなくてワンマンでがっつり観たいんだよと、いうことです。わがままだよと言われりゃそうなのです。オディロン・ルドンという画家は、それほどまでに私に集中とか没入とか惑溺を強いるのです。 とことん孤独かつ排他的であれ。 しんそこ愛するものならだれとも共有などせぬが良い。 といわんばかりに。 その点、ルドンは吉井和哉さんに似ているのかも。 というか自分がなにものかを本気ですきになるって、きっとそういうことなんだなと思います。 中途半端と言ってしまいましたが、三菱一号館美術館にしてみれば「グラン・ブーケ(大きな花束)」のお披露目が本展観の目的なのであるから、それ以外はさらっとでいっか、みたいなかんじなのかもな。違ってたらすいません。 そしてこれがその「グラン・ブーケ」です。 Odilon Redon Grand Bouquet ルドンの絵というのはどれもあまり大きくないのですが、「グラン・ブーケ」は頭抜けてでかい。 ちょっと、いろんなものの目安が狂うくらいでかい。 横162.9センチ×縦248.3センチ。横寸だけで私の身長ぐらいです。もともとドムシー男爵のお城の食堂を飾る壁画として制作されたのだからでかくてあたりまえなのですが、「花瓶にいけられた花」といういくらなんでもそこまででかくはないものを、本来のサイズをはるかに超越したでかさで描くというのはやっぱりなにかちょっと狂っているというか、常軌を逸している気がします。 あまりにも巨大な花瓶と、巨大な花たちに見下ろされる。 でもこわくない。 ルドンの描く花の絵が昔から私はこわかった。 不気味なものどもが跳梁する黒い絵たちのほうが、よほどあたたかく慕わしかった。 なにもない茫漠のなかに浮かぶルドンの花々は、その極彩色に反して、いえ極彩色だからこそ、不穏で不吉で邪悪なものを花弁の向こうに隠し持っているように見えて、みつめていると戻ってこれなくなってしまいそうで、こわくてたまらなかった。いまはそうでもなくなりましたが。 「グラン・ブーケ」にはそういう禍々しいものが感じられませんでした。 花瓶という青い宇宙から素直にあふれこぼれる花々、ただそれだけでした。 切りとられいけられた、根を持たない花たち。いつかは萎れ、花瓶の水はよどみ、腐る。花も私たちも命というものは刹那。それでもその刹那はこんなにあかるくて愉しい。さざめき、笑い、風が渡れば風に揺れ、雨が降れば濡れる。 そうやっていつか枯れればいいんだよなあ、と思います。 なにかこれはどっかで見た景色だなあとかんがえていて、ああ伊藤若冲の「樹花鳥獣図屏風」だった、と。 「グラン・ブーケ」は三菱一号館美術館の収蔵品になったので、本展観が終わっても、逢える機会はまたあるでしょう。いますぐお逢いしときたいという向きは、会期は明日までなのでどうぞ丸の内へダッシュしてくださいませ。 ●三菱一号館美術館公式サイト→■ 美術館を出たあとは併設の「Café 1894」でいっぷく。 明治のころの銀行の営業窓口を復元した重厚な天井をもつ吹き抜けのホールで、ルドン展限定の特別デザート「ふわふわチョコロール」というのをいただきました。 ルドンのリトグラフ、お馴染みの「蜘蛛(Araignée)」(下左)をロールケーキで表現してみましたどうですか、というものなんですが 「似てる似てないはおいといてまあ気持ちはわかりますよ」的な? すみません……。 蜘蛛嫌いなひとは「げげ」かもしれませんがルドンらぶーなひとならばきっとおいしくいただけると思います。 あ、これも明日までのメニューなのかしら。 蜘蛛ちゃんロール食いたい向きもダッシュすべし! 【ルドンについての由無言】 ●誘惑者。 ●誘惑の、Les noirs de Redon。 ●横顔王子。
by red_95_virgo
| 2012-03-03 12:15
| art
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Comments(8)
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あ き ら
at 2012-03-04 12:33
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寄席ではなく独演会で。
惑溺を性情とするということでせう。 大きさがもたらす印象はわかりませんが、 優しいものは優しく受け止めるということを 欲している気も少しします。 時代のせいとか年齢のせいとかは、わかりませんが。 ちょっとお相伴に預かった気分ですm(_ _)m
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blueash
at 2012-03-05 10:59
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「グランブーケ」おっきかったですね。本来大きくないものを巨大に表すということで、私はポップアートのオルデンバーグの巨大なケーキのオブジェを思い出しました。オルデンバーグには皮肉のスパイスが効いてますが、「グランブーケ」には食堂ににぎやかに花を飾る喜びを感じました。大きいけど威圧感がなくて軽やか。
レッドさんが伊藤若沖のようと言われると、なんだか花の影に虫やら小鳥やらトカゲやらが潜んでいるように見え、花自体も細胞分裂する生き物に見えたりします(^.^) 私が一番気になったのは黒の世界の作品「泥の花」でした。木炭で紙に目を潰す位の強い筆圧で暗闇を作り、そのため暗闇がどこまでも奥行きがあるように見えて、そこに浮き上がるようにうつむいた顔の花がさいている。その瞳も深く黒い。沈んだ表情には何かをおもい悩んでいるようで惹かれるものがありそばを立ち去り難かったです。 「光の横顔」ははじめてお会いしました。ストイックで容易には心を開いてくれないような内向性を感じ、ルドンそのものの理想形なのかと思いました。無表情で美しい。 そしてかわいい蜘蛛さんロールケーキ。蜘蛛には勝手に「ボリス・ザ・スパイダー」と名付けてます。食べてたかった!
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red_95_virgo at 2012-03-06 00:09
>あきらさん
ルドンは象徴主義の画家といわれていますし、私も深読みスキーなので、彼の絵を見るときは「そこになにが隠されているのか」にフォーカスしがちになってしまうんですが。 「グラン・ブーケ」はちょっとちがいました。 おっしゃるように、私が変化しているんだと思います。 ルドンはルドンで、常にこういうものを描きつづけていたんだなあ、という。 辛抱強く、ひっそりと待ってくれていた、という気がしています。
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red_95_virgo at 2012-03-06 00:44
>blueashさん
お逢いしたときに「おっきかった」というご感想を伺っていたので、ドキドキしながら会場に行きました(笑)。 でも危惧していたような種類の「おっきい」じゃなく、「おっきなもの」をもらえる絵でした。 そこが若冲の「樹花鳥獣図屏風」にすごく通じます。 情報は一切不要になり、極論すればこれルドンが描いたんでなくてもべつにいいや、という。 観ているだけで、それで良い。そういう絵だと思いました。 「ルドンの黒」、溺れますね(笑)。 暗闇のなかからぽぉっと光がさしているんですね。 リアルではありえないことなのに。 ルドンの闇は光を内包していて、だから単なるべたっとした黒じゃなく、奥行きがあるんですよね。 対して光のなかにいる極彩色の花々はその向こうに闇が透けて見える。 展観の流れは「黒」→「色彩」でしたが、どちらもあってこそのルドンの世界という気がします。 蜘蛛ちゃんのお名前、やっぱりフーのお歌ですね(笑)。 蜘蛛ちゃんロール、チューブ入りのチョコレートがあればおうちでも作れそうですよ。でもいま気づいたけど、足の数が蜘蛛にしちゃありえない多さ! だめじゃん(笑)。
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blueash
at 2012-03-06 14:28
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そもそもボリスちゃんも10本足
どちらもありえないです(^^)
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カエル
at 2012-03-06 23:04
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red_95_virgo at 2012-03-07 11:03
>blueashさん
そうでした(笑)。 「蜘蛛」と銘打たれたボリちゃんも、此の世ならぬ生きものなんですね。 「Café 1894」さんが、ルドン展に来てくれたお客さんに向けて一生懸命サービスして、足の数を倍にしてくださったんだと解釈しときます(笑)。
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red_95_virgo at 2012-03-07 11:10
>カエルさま
…………私、高校生このかたこのひとを愛してまいりましたが、鬼狼ということはこれまで一度も考えてみませんでした。 ショックハァァァッッ!!! 好きになってしまうひとはどこかかならずこの「光の横顔」に似てるので、鬼狼の中のひとにも当然その面影はあるわけなんですが。 これ、実は女性を描いてるらしいのですが性別とかもうどうだって良い! 鬼狼自体が性別曖昧だから(笑)。わーどうしよう似とるー!!! とても冷静でいられなーい!!!
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