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2006年 08月 28日
この展観、行かねば行かねばと思いつつなんだかんだで日にちを逃し、このまま観られず終わるのかと暗澹としてましたが、どうにか駆け込みで間に合いました。
さすがは最終日だけあって、平成館に入るまでも長蛇の列、中も芋洗い状態でしたけど、ほんとうに行って良かったです。 【第一章】正統派絵画 【第二章】京の画家 【第三章】エキセントリック 【第四章】江戸の画家 【第五章】江戸琳派 の五部構成。 伊藤若冲は、「エキセントリック」に入れられています。 「デロリの人」(笑)曾我蕭白も、ここに入れられています。 同じ画題、たとえばここでは鶴でしたが、それを描いても若冲と蕭白ではこんなに違う、というのもひとめでわかっておもしろい。 若冲の六曲一双の「鶴図屏風」の鶴は、卵のようなまるっとした胴体、弧を描く頸、ぱきっとした直線の嘴と脚で構成され、非常に単純化されていますけど、単純化されているからこそ、見れば見るほど見飽きない。 蕭白の「鶴図」は、つがいの鶴とその子という牧歌的な画題なはずなのに、執拗で丹念で、どこか陰惨で不穏な空気がみなぎっています。 エキセントリックもいろいろです。 そう、伊藤若冲の絵を見て、特に今回、生で接してみて思ったのは、 「少しも見飽きないなあ」 という事でした。 画題がおもしろいから見飽きないとか、内容が細密かつ情報量が多くて、それを探っているだけで飽きない、というのではなく、たとえば筆で引かれた一本の線だけを1時間でも2時間でも見ていたくなる感じ。 若冲という人は、京の青物問屋の惣領として生まれ、家業を継いだもののなにをやってもダメダメダメ人間で、唯一「絵を描く事」だけに楽しみを見出し、結果非凡な才能がそこで開花した、というような人です。 「絵を描くしか能が無い」のそのたったひとつの「能」が、一本の線の中に、ものすごい濃度で詰め込まれているのが、私みたいなど素人が見たってありありとわかるんです。 すごいよ。 ぼんやり線を見てるだけで泣けてくるなんて、はじめての事です、私。 そうして、伊藤若冲が誰でどんな人物かなどという事も一切知らぬ状態で、ただその絵に惚れて購入した、所有者ジョー・プライス氏の気持ちがすんごくよくわかります。 これは、欲しくなるわ、ええ。 「鶴図屏風」の前に座って、朱塗りの杯で一杯やりたい。 「鳥獣花木図屏風」を背景に、花茣蓙を敷いて、昼寝がしたい。 収蔵室に誰もいなかったら、やりかねない(笑)。 その、今回の展観の大目玉と言って良い「鳥獣花木図屏風」。 写真は、下記のリンク先でご覧ください。 ●象さん中心の右隻 ●「飛べ不死鳥!」な左隻 大目玉だけに(そして最終日だけに)、絵の前はもう、黒山の人だかり。整理券を配って欲しいくらいのもんです。 「最前列のお客様は、少しずつ移動しながら、お譲り合ってご鑑賞くださぁい!」 と係の人がときどき叫んでも、あんまり誰も動きゃしない。 たぶん、一度この屏風の前に立ったが最後、動きたくなくなってしまうんだと思います。 これは実は、「伊藤若冲の作品である」という確証が得られていない絵だったりします。 また、 「屏風一枚につき4万3千個のマス目を使って描かれている」 「18世紀の作品なのに、既にデジタルの手法が採り入れられている」 といった斬新さものすごさが喧伝されていますけど、そんなもんどうでも良くなります。 私の後ろにいた女性が、 「何時代の誰が描いたとか、そういう情報は全部要らないよね。この絵だけあればそれで良いよね」 と言っていましたが、掛け値無しにそういうものです。 見てない方には、ぜひとも一度、見てほしい。 特に小さい子供たちに。 絵の中にいろんな動物を探して、きゃあきゃあにこにこ見てほしいと思います。 そういう絵です。そしてそれで十分。 伊藤若冲の他には、串本町無量寺の襖絵「虎図」で有名な長沢蘆雪。 今回の展観では、海のど真ん中で、海上を歩む仙人と亀が行き会う瞬間を素敵に勢いあるタッチで描いた「神仙亀図」が相当に気に入ってしまいましたが、見たかったのはやはりこれ、「白象黒牛図屏風」。 どうしてこんなに無闇に「ただ、でかい」のか(笑)。 牛の腹んとこにもたれて、リラックスしきって(ベロしまい忘れ)股を広げている白犬も、愛くるしいのにオヤジ風味でたまりません。 「特別展示」として、プライス氏の意向を反映し、ガラスケースを使用せず自然光の移り変わりに近い状態で絵を見せるコーナーがあり、ここもおもしろかったです。 絵に貼られた金銀の箔、水の流れを表す岩絵の具の群青といったものが、当てられる光の変化に伴って様々に印象を変えてゆきます。 蘆雪や呉春の幽霊図も、素明かりで見ればそうでも無いものが、うすぼんやりとした黄昏の明かりの下に置いた途端、怖さ五割増しぐらいになって、なかなかすごい。 さて、おたのしみグッズ売り場。 バーゲン会場さながらに混み合っています。「鳥獣花木図屏風」をモチーフにしたものが多くて、ポップな図柄ですから、商品展開もさまざま。あれもこれも欲しくなったが金が無かったので、凶悪な目つきとドスの利いたポーズがキュートな「紫陽花双鶏図」のクリアフォルダーと、 桝目描きという技法で描かれた鳥獣花木図なので、桝目にこだわった商品としてルービックキューブを考えました。 という、会場限定・鳥獣花木図ルービックキューブ(2800円)を購入。 生まれてこのかたルービックキューブというもので遊んだ事がありません。 ぐるぐるしてたら、ああ、もうなにがなんだかわからない事に……。 「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」は、このあと、京都国立近代美術館、九州国立博物館、愛知県美術館の順に巡回します。展覧会の詳細は ●「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」公式HP ●オフィシャルブログ でご確認ください。 また、伊藤若冲という画家とその画業についてはこちらのサイト様が大変素晴らしくまとめてくださっています。ご興味ある向きはぜひどうぞ。
by red_95_virgo
| 2006-08-28 16:37
| art
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Comments(8)
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あきら
at 2006-08-29 11:04
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昨日のレスありがとうございました。杉浦さんのものは読んだりしているのですが、またぐっとお江戸にそそられる気分になりました。気が多いのでなかなか深まりませんが・・。
若冲の版画のカードをたくさんならべて大きい額に入れてポスターがわりにしています。そんな安上がりでもなかなかよい気分になります。 redさんのように泣けてくるなんて感受性は持ち合わせませんが、おっしゃることはよくわかる気がします。 うちのチビたちが見ているルービックキューブ攻略法のサイト(http://hw001.gate01.com/tocomanoya/rc.html)、わりとわかりやすいようですよ。
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red_95_virgo at 2006-08-29 11:29
>あきらさん
サイトご紹介、どうもありがとうございます! 結構攻略サイトあるみたいですが、大概は、 「一面はまず自力で揃えてください」 ってorz 「鳥獣花木図ルービックキューブ」、ルービックキューブにジグソーパズルの要素も入ってるもんですから、単純に「同じ色」を集めていくだけじゃ済まなかったりして……(泣)。 ご紹介いただいたところは、一面の揃え方から解説してくださっているので、なんとかがんばってみたいと思います。 若冲、いろんな技法の絵を描いた人ですが、作品を見てみるとすごくモダンですよね。 ミュージアムショップで義仲寺の花卉図を版画にしたやつを売っていて、中でも蓮がものすごく素敵でした。8000円超えるのでちょっと手が出ませんでしたが(笑)。 9月10日まで、皇居三の丸尚蔵館で動植綵絵を見られるそうなので、時間つくって行ってこようと思ってます。
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かろひ
at 2006-08-29 13:11
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わお。わたしも最終日駆け込み組。早めに行ったので10分待ち程度でした。帰るころには30分待ちだったようですが。
「鶴図屏風」のポストカード、ちゃんと屏風にしつらえてあるのがうれしくって買いました、だって >前に座って 一杯やりたい あれ、どうしておなじようなことを(爆 光の試みがおもしろくて、ここでずいぶん時間とってしまいました。 プライスさんに感謝、関わった方々に拍手、でした。
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がんこ
at 2006-08-29 18:15
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私はその前の週に行きました。
伏見人形の絵がとっても気に入ってしまい、思わず売店で伏見人形を購入してしまいましたよ。家には飾るところがないので、実家に飾ってもらおうと思ってます。 光の試みは本当におもしろかったです。ちょっと人が多くてゆっくり見られなかったのが残念。。京都という場所でこのコレクションを見るのも楽しいかな?とも思いました。もう一回行きたいかも。。
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red_95_virgo at 2006-08-29 22:49
>かろひさん
えーっ、もしかして同じときに館内にいた? 私は13時過ぎに入場して15時半過ぎに出ました。出たときは、入るとき以上の人が並んでてびっくり。 本当は、芋洗い状態の中で絵を見るのは大嫌いなんですけど、今回はそんな事言ってられず(笑)。 特別展示では、酒井抱一の「十二か月花鳥図」が特によろしかったです。秋の東博の「仏像」でも、ああいう照明の工夫をしてくれたら嬉しいんですけど。照明の当て方ひとつで仏像はもっと著しい変化を見せるので。 屏風仕立てのポスカ、私は「鳥獣花木図屏風」のを買いました。鶴図も買っときゃよかった。
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red_95_virgo at 2006-08-29 22:59
>がんこ
伏見人形って、ちょっと不思議なタッチでしたよね。伊藤若冲は人形そのもののデザインもしていたみたいですが、絵画じゃなくて、人形が今残っていたら、また面白かっただろうなと思います。 在宅仕事の余録で、人気の美術展も平日にゆっくり行けるというのがあるんですけど、今回の若冲に関しては、平日でも土日でもあんまり変わらなかったみたいです(笑)。 ほんと、もう一回ゆっくり観たいですね。機会があるとしたら京都か名古屋か。 吉井のツアーにひっかかってないのがくやしい(笑)。
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tama
at 2006-08-29 23:01
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土日と昼近くは混み混みと聞いたので、22日の火曜に開門と共に行ってきました。結構ゆったりと楽しむ事ができました。鳥獣花木図屏風は真近で見てもタイルに見えるんですけど、見つめすぎて目がしばしばしました。どの動物も、のほほんとして微笑ましい感じがしました。
最後の部屋の照明の変化で見せるのがとても面白かったです。 一緒に行けなかったのですが、妹が曾我蕭白の絵が好きなので、おみやげに葉書を買いました。私はベタですが花の絵が好きで、その中でも鈴木其一の青桐紅紅図がとても気に入りました。 一度でなく数回に分けて堪能したかったです。
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red_95_virgo at 2006-08-29 23:33
>tamaさん
おお、いらっしゃったのですね! 私も、開門と同時入館を目指したのですが、寝坊してしまい(笑)。最終日の午後1時で「10分待ち」でしたが、実際は入館までもうちょっとかかったような気がします。 以前、フェルメールとその周辺の画家の作品を集めた展覧会のときは、フェルメールはたった1点で(無理も無いですが) 「これだけかよ!」 だったんですが、それに比べれば今回は、若冲以外も充実していて見応えがあったと思います。 「青桐・紅楓図」はめざましい美しさを感じました。鈴木其一では他に、「柳に白鷺図屏風」「群鶴図」が特に印象に残りました。 妹さん、曾我蕭白お好きなんですか! 昨年の京都を見逃したのがいまだに悔やまれてなりません。今回は蕭白はちょっと物足りなかったですね。でもあそこにいきなり「群仙図屏風」があったらそれはそれで怖いです(笑)。
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