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2006年 07月 13日
『アキハバラ@DEEP』の次は『スイッチを押すとき』。
こっちもまたガチで勝負(笑)。 主人公・南洋平を、現在公演中の舞台では永山たかしが、Gyao配信のドラマでは成宮寛貴が、それぞれ演じています。 (なお、成宮さんは『アキハバラ@DEEP』映画版に主人公ページ役でご出演。『Mの悲劇』以来の佐々木成宮共演。めでたい、実に。) この『スイッチを押すとき』、永山たかしさんの主演舞台が決まったときに原作を読んでみた。 原作者の「山田悠介」という人は、 発表作品全てが10万部越え、10代・20代のカリスマ作家 という人なんだそうですが、自分10代でも20代でもないせいか、まったく存じませんでした。一読してみて、 「一生知らずに終わっても全然問題無い作家だったなあ」 と思った。 「カリスマ」だと信じているファンの人には済まない事だが。 しかしこれを以てカリスマって言うのなら、明治以来の日本近代文芸史って右を向いても左を見てもカリスマ往来という事態になっちゃうんだけどそのへんはどうなの、ねえねえ教えて出版社のえらいひと。 あ。 「こういうおはなしならわたしでもかけるかもー」 と、簡単に文芸への熱を煽ってくれる「カリスマ」、という意味でなら確かにそうだわ。 とか、独り静かに毒づいてみたり(笑)。 確かに、『スイッチを押すとき』は、アイディアのあるお話だと思います。 「自殺」という、今の社会が抱える問題にもコミットしているし、テーマも非常に真摯なものですし、語り口も生真面目過ぎるほど生真面目。 ただ、アイディアやテーマを最後まで鮮やかに生かし切るにはやはり文章の芸とか色気とかいうものがなくてはならない、と私は一読み手としてそう思うし、山田悠介という人の文章には、そういうものはまったく感じられなかった。 ものすごく詳細で丁寧なシノプシスを読んだ、という読後感しか残らない。 普通、原作があるものを映像化なり舞台化なりするときは、 「原作のイメージがこわれたりこわれなかったり」 という事が問題視されますが、『スイッチを押すとき』に関してはその心配は最初からありません。いや、むしろ脚色・演出の手際と役者の魅力次第でいくらでも良いものに変化する素材だろうと思いつつ、昨日、青山円形劇場に行って来ました。 脚本と演出を担当した岡本貴也さんが、非常に思い切りの良い料理の仕方をしています。 基本的な設定と登場人物は生かしながら、それはもう「山田悠介の小説の舞台化」では無く、 「岡本貴也の物語」 と言って良いものに変わっていました。 原作では、暗い目をして、おどおどと自信無さげな、秘密を抱えているせいでどこか歯切れの悪くなりがちな主人公「南洋平」が、まるで違うキャラクターになっていた。 びっくりです。 そもそも彼の秘密というのが、原作ではラストのどんでん返しのネタとして作者が後生大事に引っ張っているものなんだが、こちとら冒頭2ページぐらいで速攻ネタが割れてしまい、それがまた読後の徒労感に繋がったりなんかもしたもんです。 しかし舞台では、半分もいかないぐらいで、 「南洋平もまた、自殺スイッチを持たされた被験者の(最年長の)生き残りである」 という手の内をあっさりとこちらに曝してしまいます。 また、それを見せるからこそ、「南洋平」という善とも悪とも定め難い青年の輪郭が、あるときは曖昧にぼやけ、あるときはより強く立ち上がってくる。 原作を逆手にとって、まったく違う切り口から組み立て直す事によって、生きるという事、そして「スイッチを押すとき」というその瞬間の陰翳をより濃くして見せた。 原作の南洋平はひたすら「かわいそうな被害者」で、概ね「(あんまり報われない)善意の人」ですが、この舞台に現れた南洋平は一筋縄ではいきません。彼を演じる永山たかしさんがパンフレットで 「悪い奴」「心の中に影のある役」と形容しているように、「青少年自殺抑制プロジェクト」に対する恨み、被験者にされてしまった自分への嫌悪、自殺スイッチへの恐怖、同じ被験者である子供たちへの憐憫と蔑み、その一方で彼らを様々な手段で誘導し翻弄し、挙げ句「スイッチを押させる」=「自殺させる」事へのゲーム的な快感、そういう複雑な感情を抱えた難しいキャラクター。 正直、不幸を絵に描いたような原作の「南洋平」を永山たかしがストレートに演るんなら、これ以上のはまり役は無かろうと思ってました。 しかし、ひねってきましたねえ。 単に「無力で不幸せでかわいそう」だけじゃ「不憫」という美意識(笑)には到達しえない、という事を、たぶん岡本貴也さんはよく解っているのだろう。 初の主演舞台において、永山たかしさんにこれだけの台詞を吐かせ、こういう顔をさせ、ここまでの感情の表現を強いた岡本さんに、私は心から感謝します。 芝居の台詞をちょっとパクれば、 「とことん絶望したところから、はじめて希望が見えてくる」 という事を、おそらくは演じている永山さんも感じたんじゃないだろうか、という気がする。 そういう顔だったし、そういう芝居だった。 これまで永山さんの演技を観てきて、こんな形容はした事が無いけれど、 「精悍になったなあ」 と感じます。 共演の子たちも、未熟なところも目立つけれど、そういう青さとか性急さがそれぞれに魅力的で、気持ちが素直に伝わってくる芝居をしていました。 特に「高宮真沙美」を演った肘井美佳ちゃん。 たいへん私好みの美人さん。かわいくてきれいで清楚で華があって、強そうで、でも儚げで。 原作では、南洋平と高宮真沙美は血の繋がった兄と妹で、それと知らずに恋愛感情を育ててしまうんですが、舞台では(少なくとも台詞の上では)そうした設定は出てこなかった。近親相姦という事になると、またお話が違う方向にとっちらかっていってしまうので、そこも思い切り良くカットしたのでしょう。 研究施設の所長・佃役のSETの田上ひろしさんが、本当に根性の悪そうな、しかしどこか小市民な男をへらへらと面憎い感じで演じていて、お上手でした。 若い子ばっかりのキャストなので、締めるところは締め、がっちり芝居を受けてくれる大人がひとりいるだけで、やっぱり全然違います。 円形劇場で芝居を観るのははじめての事で、ステージを囲む客の顔が時折視野に入ってきて気分が殺がれる鬱陶しさは拭えないし、役者がこちらに背を向けて芝居しているときも多く、まんべんなくその顔が見られない、という事が正直ストレスになったりもする。でも、 「こっちに背中向けながら、いったいどういう顔をしているんだろう」 と、見えないその表情を想像する事もそれはそれで愉しい。 常に役者と向き合っていられるわけではないその不自由さ。座った位置によって何十通りもの舞台がそこに現れるという不思議さ。 円形劇場で芝居を観るという行為そのものが、観る側にとっても、言ってみれば「演劇的」な経験なのだろう、と感じました。
by red_95_virgo
| 2006-07-13 11:33
| theatre
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Comments(10)
いやぁ、さすがredさん、明瞭に解説下さって。私は夜の部観ましたが、小気味よかったですね、あの脚本。あの設定を2時間という枠と、6人という登場人物制限とに濃縮すると、こうなるのかと。原作で感じた薄っぺらさ(私も大概酷いな・笑)がなく、固唾をのんで見守ってしまいました。
同じ時期にドラマ化ですが、あっちの主人公はキレイすぎるんじゃないですか? と。
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さな
at 2006-07-13 13:57
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わたしは、わけあって、昨日昼夜と両方見ました。
正直、原作を読んだ時は、如何様にも広げられる面白い要素を持った題材なのに、どうしてこんなに縮こまってるのか?と思いました。このまま舞台じゃ辛いなぁとも。(失礼ですよね) それが、脚本家、岡本さんのブログを拝見して、こういった熱を持って、こういう文章の人なら期待できるのでは? と。初見の時は、バックボーンの解せなさは拭えないものの、役者さんた達の体当たりさが心地よく、南さんのキャラ変更に拍手でした。見に行った甲斐ありました。 キャラ変更のお陰で、話も興味深くなってました。 欲を言えば、ラストにもう一捻り欲しかったのですが(南さん最後までブラックとか、所長その後とか)あれはあれでいいのかなとも思えるようになりました。 所長以外の登場人物のラストに疑問ばかりなのは、わたしが幸せだからなのかと。それでもなんでも、1人くらい生きて欲しかったです。 そして、今後の永山さんが更に楽しみになってきました。 あ、余談ですがご報告をひとつ。 噂の舞台、行ける事になりました! キャンセル出たのか、不意の空きがありました! この度は本当に、お世話さまでした。
前記事に続いて失礼します。そういう話なんですね。成宮くんはキレイなんですがある意味ふてぶてしさも持ち合わせている人なので、生き残りという設定、納得でございます。ああ楽しみ。おもしろかったとしてもGyaoなのでレッドさんにご覧いただけないのが残念です。
皆さんがこれだけ仰ってると逆に興味が湧いてきました(笑)。原作、こんど本屋でパラパラしてみようと思います。
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tonami
at 2006-07-14 01:13
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4年に一度のサッカー祭りに浮かれた日々を送っていたので少々ご無沙汰になりました。気づけば「スイッチ~」も初日を迎えておりましたとさ(笑)
今回は例の連れが行かないので平日でもいいかな~、千秋楽取れちゃうかな~、え!?取れちゃったよ!…と言うわけで早く見たいのに千秋楽までお預けくらっています。原作者さんが「10代・20代のカリスマ作家」らしいのでウチの10代に薦めてみましたが数ページで「ダメ。永山さんが主演でも行かない」と激しく拒否。ダメじゃん、カリスマ!(苦笑) 私も原作には何の思い入れもなく、ただ南洋平を演る永山たかしにしか期待してませんでした。レッドさん同様、ハマリ役では?と思いましたもん。それを、そうですか、そんなふうに料理されてますか。精悍な永山たかし。楽しみです。 でも、あと一週間。長いなぁ(くすん) そりゃそうとレッドさん! 金児さんと蔵之介さんが共演してるじゃないですか! サッカーに浮かれててドラマ情報なんて全然知らず、ホント偶然見かけて大騒ぎでした(笑) 偶然発見出来るなんてアストロの神様が見捨ててないからだわ♪…どんな神様なんだか(笑)
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red_95_virgo at 2006-07-14 02:15
>tomoponさん
原作は、人物の心理をいちいち言葉で説明されるのがこの上無く鬱陶しかったですが、作者はたぶんその鬱陶しさを「小説を書く行為」だと思っているのかなあ、と(笑)。 生身の役者が制限された舞台の上で肉体で見せてくれるからこそ、逆に「スイッチを押すか押さないか」のギリギリな感じが際立ったように思います。 成宮さん、私は『あずみ』の頃から気になっている役者さんです。 Mariさんもお書きですが、ただ綺麗なだけの子ではありません。毒が強い人です。蝶々の擬態を持つ蛾と言うんでしょうか。 そういう意味では、原作そのまんまの南洋平よりも、こっちの舞台の南洋平をこそ、演じて欲しい人かと思います。
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red_95_virgo at 2006-07-14 02:24
>さなさん
『噂の男』チケットゲットおめでとうございます! あのあともちょっと気にかけていたんですけど、そちらでお取りになれて良かったです。やっぱり堺ファンの方がご覧になれないのは辛いですもんね。 『スイッチを押すとき』、あそこまで原作を大幅に変えても、最後に 「そして誰もいなくなる」 というところだけには忠実でしたね。原作へのリスペクトかとも思いますが、私はオッケーでした。ただ、君明と真沙美の死に至る心理を、もう少し説明してもよかったかな、とも感じます。
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red_95_virgo at 2006-07-14 02:29
>Mariさん
ほんとに、舞台観て、Gyaoのドラマが観られない事を改めて口惜しく思っておりますよ……。 原作は、腕の良い料理人が包丁を振るえばいくらでも面白いドラマになるという、まさに脚色魂をくすぐる(笑)絶好の素材かも、と思います。 今回の舞台では、原作では同じ被験者の立場から子供たちに終始同情的である「南洋平」を、天使と悪魔、両面を持つ不思議な青年に仕立てていました。 ドラマの「南洋平」はどういうキャラクターになるかわかりませんが、妖艶さんが演じるからにはただでは済むまいな、とも(笑)。
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red_95_virgo at 2006-07-14 02:40
>tonamiさん
はい、私も金児さんの件はまったく寝耳に水状態。 泡くって記事にさしていただきました(笑)。まさか球四郎、ここまでテレ朝のお気に入りだとは! 『功名が辻』でもやっと本格的に出てらっしゃいましたし、週に二度も金児さんに逢えるなんて夢みたい。 お連れ様、今回はNGですか。 惜しいなあ。 10代のお連れ様にこそ、今回の永山さんは観ていただきたいです。きっとどこかにグサッと刺さると思います。原作とはまるで違いますから。 でも、おとといのマチネは映像収録してたんで、もしかしたらDVD化もあるかも、とちょっと期待。 ともあれ千秋楽のチケットゲット、おめでとうございます。舞台は生き物だし、特にいろんな事を吸収しやすいお年頃の若いキャストばかりですから、楽日までにお芝居もどんどん変化していくだろうと思います。 改めてご感想、お聞かせくださいね。
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まつこ
at 2006-07-15 15:35
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レポありがとうございます!
舞台を観にいけない私は永山さんの演じている姿を多くは知らないと思います。 でも、無垢な役であれ熱い役であれ裏表のある役であれ、そのままを変幻自在に演じるのでは?と感じました。 理由は顔(笑)です。幼い笑顔も何もかも知った冷たい顔も似合うようなそんな感じで。個人的に無表情の顔が一番印象的でした。 でも・・・お話も面白そうですね~!ライヴと一緒でその場限りでしか観れないものほど価値がありますよね。 原作は、読んでみようかどうか悩み中です。10代でも20代でもないしなあ・・(笑)。うちの10代は活字ダメですが割と好きそうな内容ですので、一緒に観れると本当にいいのですけれど。
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red_95_virgo at 2006-07-16 10:54
>まつこさん
以前にも書いたんですが、三池崇史監督の『天然少女萬 横浜百夜篇』の百夜君が私大好きなんですが、今回の永山さん(というか南洋平)の在り方は、百夜君のテイストに近いという感じがしました。 どっちの側にも与さずに、どこにも踏み出さずに、ただ独りで立っている寂しさ、みたいなものが際だっていました。それがまつこさんが書かれている「無表情」という事なのかも知れません。 私はEブロック最前列で観ていたんですが、アンコールで役者がそれぞれ客席の方向を向いておじぎするとき、ちょうど永山さんが私のど真ん前で。 すがすがしい、とても良い顔されてましたよ(笑)。
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