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2005年 12月 20日
先日から、「北極振動」という言葉をニュースなどでよく耳にします。
難しい事は解らんが、最近のこの寒さは、北極が溜め込んだ寒さをがんがん放出するタイミングに当たっていて、吐き出されたその冷気が日本列島を直撃しているためなんだって。 北極ってそうやって寒さを溜め込んだり放出したりしているモノなのだ、というのが、サル並みの脳の自分にはちょっと新鮮な驚きでした。 もう一つ、ニュースなんかでのこの季節お決まりの用語に「冬将軍」というのがあります。大辞林曰く、 [モスクワを攻めたナポレオンが厳寒に勝てず敗走したことから]寒気の厳しさを擬人化していう語。また、冬のこと。 だそうです。 フランス皇帝すら惜敗させた凄腕の将軍——なんとなく土方歳三のイメージを思い浮かべて悦に入ってしまう自分はただの歳三ヲタですが、北極振動となるとこれはもう寒冷前線如きの比じゃないというか、 「将軍を押しのけていきなりラスボス登場!」 って感じがします。ものすごいです。 私は温暖な地方に生まれ育ったので、寒いのが大の苦手です。 室内リンクでスケートとかならともかく、スキーとかスノボとか行くのは若い頃から真っ平ご免でした。真冬に社員旅行で大雪の能登半島に連れてかれた時はマジに社長に殺意を覚えました。 雪は嫌いじゃない。あったかい部屋の中で雪見障子上げて湯豆腐に熱燗で情緒的になってるぶんには雪も乙なものだなあと思いますが、そんなもん豪雪地帯の方からすれば、 「ケッ、ぬるい事言ってんじゃねーよ!」 でしょう。ほんとすまない事です。新潟県十日町市では、昨日164センチの積雪を記録したと聞きました。雪で過度に情緒的になれるのは、雪で苦労した事の無い人間だけかも知れません。 高速道路で雪で立ち往生する車内に長時間に渡って閉じ込められたり、屋根の雪下ろしの最中に不慮の事故で亡くなる方がいたり、ここ数日でそんなニュースを耳にするたびに、 「白魔(はくま)」 という雪の別称がふとよぎります。 北極振動という現象も含めて、気候の変動や天災などが起きると、改めて地球という生命体の意思みたいなものを露骨に感じます。 地球は決して、「人にやさしく」なんかない。 それなりの恵みもくれるけれども、祟る時はきっちり祟る、気難しい神のようなもの。 エコ好きな方などが頻用する「地球にやさしく」という表現は、私にはひどく傲慢に聞こえます。使いたくない日本語ランキング5位ぐらい。 「地球にやさしい」事、それそのものに異論は無いにせよ、そうした行為を「やさしく」なんて表現する必要がどこにある、随分地球を舐めてくれたもんだな、ええ?——とか思ってしまうわけです。 自分たちはやはり、この星のご機嫌を伺いながら、「生かされている」事に感謝しながら暮らしていくべきなのじゃないか。 これまで地球というものに甘えたいだけ甘え、図に乗って蔑ろにし、思い上がり、敬意を忘れてきた挙げ句、今、いろんなところでいろんな事がおかしくなりつつある。自然への畏怖というものをもうちょっと実感してみやがれ。 今のところとりあえずはあったかい部屋でワインを飲んでぬくぬくとテレビを観ながら、ぼんやりとそんな事を考えていたりします。 なのでこのたびのこのクソ寒さも、それによる自分のしもやけも、それによる暖房費超過も、まあ甘んじて受けるしかないのか……。 ああ、やっぱり寒いの大嫌い。
by red_95_virgo
| 2005-12-20 23:29
| 蓬屋日月抄
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Comments(5)
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カタリーナ
at 2005-12-21 00:07
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先日の大雪の日、お江戸から仲間たちが車でやってきたのですが、
彼らは4時間弱で着くところを13時間かけてやってきましたよ。 雪で通行止め&事故&チェーンをつけてない多数の車が立ち往生したおかげで、 4時間で50メートルしか進まなかったそうです。(汗 時速約12メートル。なめくじと一緒? そして市内は道路がスケートリンク並に凍り、運転しただけで筋肉痛になりました…。 さて、地球にとっては、人間のやることなど皮膚にハエがとまった程度のこと、 という記事を読んだことがありますが、 それだけ人間というのはちっぽけな生き物なのだと、 自然の威力を感じるたびに思い知らされます。 森に住む動物たちが森を破壊しないように気を遣って生きているのと同じように、 人間も地球に住まわせてもらっていることを思い出さないといけないですね。
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boro9239 at 2005-12-21 11:33
「エコ」って、一歩間違えると「エゴ」って聞こえますよね。先日自分が設計した住宅の見学会を行いましたがこの住宅、OMソーラーという太陽熱を利用したシステムを採用しているのでこの寒波でも微々たる電気代で家全体がスリッパいらずに暖房いらずの暖かさで快適でした(笑)。もちろんお天道様の気分次第、曇ったときは仕方なし、ですが。
だから晴れた日は余計にありがたく感じられます。自然は厳しい時でも結構手をさしのべてくれているんですけどなかなかそれに気が付かないモノなんですよね。
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red_95_virgo at 2005-12-21 23:26
>カタリーナさん
さすが豪雪の本場もん(笑)はひと味違う凄まじさ。 明日はまた日本海側中心に大雪との予報で、 「寒さひと段落じゃなかったのかよ! 話が違うよ!」 なんですが……。 やっぱり地球って、本気出せば人類など軽く滅ぼせる力を持っている筈で、そうされたからってこっちは文句言う筋合いも無いんですよね、間借り人だから(笑)。資源は有限だし、自分たちに残されている時間も有限なのだという事は、忘れたくないです。 >boro9239さん OMソーラー協会さんのサイトを見てきましたよ。 夏場はむしろクーラーより自然風が好きな自分には、結構ぴったりくるシステムじゃないかと思いました。でもやっぱり寒いのは苦手(笑)。寒いの我慢してるとどんどんネガティヴな思考になっちゃって。積極的に寒さを楽しめるタイプではないようです私。 >「エコ」って、一歩間違えると「エゴ」って聞こえますよね。 うーん、これも難しいところですよね……。これまで自分の周りに現れたいわゆる「エコな人」って、確かにものすごくエゴの強い人が多く、振り回された経験も何度か。一歩間違うと「信仰」になってしまう感じで、友人でもそいつはちょっと勘弁て感じでした(苦笑)。
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dayu2004 at 2005-12-22 00:00
日本で言えば豪雪で極寒な地に住んでいる身ではありますが、
雪下ろしも雪かきもしない(マンションで通路がロードヒーティングなので)、 寒い思いもほとんどしない(家の中では半そででいたりします)、という かなり甘えた環境で暮らしています。 でもこんな真冬の最中に、大地震がきたら、とか、 そこまでいかなくても大停電になったら、と考えると恐ろしい。 まる一日電力がストップしただけで、多分バタバタ死んじゃいます。 北の人間は常にどこかにそういう気持ちがあると思います。 「北の国から」みたいな暮らしはできませんが、 「遺言」(だけしか見ていないんだけど^^;)の中での、 「自然の恵を頂戴している」って言葉はかなり重く受け止めてしまいました。
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red_95_virgo at 2005-12-22 11:20
>dayuさん
真冬でもおうちの中では半そで!? なんつうか、既に「外国」って感じのライフスタイルです(笑)。あったかいとこ好きな自分としてはちょっと憧れます。 でも、本当に豪雪&極寒の地では雪害対策が万全なものなんですね。うちの近所とか、ちょっと降って積もっただけでも結構なイベントになってしまいます。マンション住人あげての道路の雪かきとか。 確かに、気候が厳しい時に大災害が起きたら……これは恐ろしいですね。サヴァイヴの要素に「耐寒」が加わるわけで、考えただけで萎えます。地震とか来るなら春秋の気候の良い時にしてほしいもんですが……「わがままを言うなー!」ですよね(笑)。
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